建築士の資格取得について
工業高校の建築系学科へ進学する人たちで将来、建築士を目指す人たちは少なくないと思います。 建築士には「一級建築士」・「二級建築士」・「木造建築士」の3つの資格があり、受験するにあたっては、建築士の免許の種類により、卒業後必要となる実務経験の年数などの条件が異なってきます。 なお、建築士法第7条第一号で未成年者への免許の付与は禁止されているため、在学中に建築士免許を取得することはできません。
一級建築士
一級建築士とは、国土交通大臣の免許を受けて、「一級建築士」の名称を用いて建築物に関し、 設計、工事監理その他の業務を行う者をいいます。(建築士法第2条2項)
一級建築士になるには
一級建築士になるには次の2つのルートがあります。
① 建築系学科の大学で指定科目に関する単位を修得し、卒業後2年間建築に関する実務を経験し一級建築士試験を受験する。
② 二級建築士として、4年間建築に関する実務を経験した後、一級建築士試験を受験する。
一級建築士の試験は??
建築士試験は学科試験(一次試験)と設計製図試験(二次試験)があります。学科試験に合格しない者は設計製図試験を受験することができません。
一級建築士の学科試験は「学科Ⅰ(計画)」「学科Ⅱ(環境・設備)」「学科Ⅲ(法規)」「学科Ⅳ(構造)」「学科Ⅴ(施工)」の5科目について行われます。
設計製図試験では6時間30分で「図書館」や「コミュニティ施設」、「集合住宅」などのテーマを指定され、設計製図を行います。
なお、一級建築士試験の最終的な合格率は例年およそ10%程度です。
二級建築士・木造建築士
二級建築士及び木造建築士とは、都道府県知事の免許を受けて、「二級建築士」又は「木造建築士」の名称を用いて建築物に関し、 設計、工事監理その他の業務を行う者をいいます。(建築士法第2条3項及び4項)
二級建築士になるには
二級建築士になるには主に次の2つのルートがあります。① 工業高校の建築系学科で指定科目に関する単位を修得して卒業し、卒業後3年間建築に関する実務を経験して、二級建築士試験を受験する
② 大学又は指定された専門学校へ進学し、指定科目に関する単位を修得して卒業後、二級建築士試験を受験する(実務経験なしで受験可能)
二級建築士の試験は??
建築士試験は学科試験(一次試験)と設計製図試験(二次試験)があります。学科試験に合格しない者は設計製図試験を受験することができません。
二級建築士の学科試験は「学科Ⅰ(計画)」、「学科Ⅱ(法規)」、「学科Ⅲ(構造)」、「学科Ⅳ(施工)」の4科目について行われます。
設計製図試験では5時間で2階建住宅などのテーマを指定され設計製図を行います。
なお、二級建築士の最終的な合格率は例年25%程度です。